今だから伝わるかもしれない『平成狸合戦ぽんぽこ』の魅力

 私が皆さんに紹介したい映画はジブリ映画の『平成狸合戦ぽんぽこ』という映画です。あのジブリ作品なので知っている人がほとんどだと思いますが、軽く内容の紹介を。
 山に住んでいる狸たちが都市化の影響で住処を奪われた現状を何とかするために狸たちが人間相手に四苦八苦する様子を描いた作品です。では、どの部分がおすすめかというと、狸たちの奮闘がまさに私たち人間の奮闘と重なって見える部分があることです。狸たちは人間に化けたり、妖怪に化けたりするのですが、中にはセンスのない狸もいて化ける事の出来ない狸もいます。それを見て自分なんかは「こっち側のたぬきだよな」等思うわけです。それぞれの個性豊かな狸たちに共感できる部分がそれぞれ見つかると思います。
 さらに事件を起こす過激派や、穏便に済ます派などグループ内で人間へのアプローチの仕方が変わっています。組織をまとめる事の大変さや、ある意味での必然さ等を感じざるを得ません。何かを主張して戦う姿はまさに人間の行為となんら変哲もありません。
 その中で最後のシーンは人間として生きていくことを決めた主人公が、古い友人の狸たちと会うのですが、そこでのはしゃぎ様を見ていると切なく感じてしまうのです。これは狸はもしかしたら人間なのかもしれないな、分かり合えるかもしれないな、という考えが、やっぱり狸は狸、人は人、根本的に違っており、両者が納得できる答えは無いのかもしれないという寂しさがあるからだと思います。
 かなり前の映画なので、スマホやまして携帯なんていうのも一般的ではなかった時代です。それでも人間の活動、主張を狸たちを通して見て共感できる部分がある本質を突いた映画だと思います。